読書感想「夏への扉」

「宇宙の戦士」などで知られれるロバート・A・ハインラインの代表的な作品。
私もタイトルはずいぶん前から知っていましたが、古典と言われているようなSFはどうしても小道具が古臭く見えてしまって敬遠していたのですよ。

でも、これが山﨑賢人、清原果耶の出演で映画化をされると聞き、読んでみたくなった。

発明家にして優秀な技術者の主人公ダンは親友と婚約者に裏切られ、冷凍睡眠で30年後に行った。
しかし、その30年間に起きたことを知るにつれ、30年前に再び戻りたくなった、、

要は時間旅行物。
今となっては時間旅行物といえば映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が有名だが、作られた年代的に見てもこちらが「夏への扉」を参考にしたのだろう。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のとある場面が「夏への扉」の終盤の場面に似ている。

この小説では前半で1970年から2000年に冷凍睡眠で擬似的に時間旅行をする。
小説が発表されたのが1956年ということなので、スタート地点の1970年がすでに執筆時点では15年ほど未来ということになる。

なので、ダンが作るロボットなどは、「いや、1970年にそんなの無理でしょう。」と言いたくなるようなものであり、(そもそも冷凍睡眠が、、)執筆時点から45年ほどあとになる2000年に至っては、1970年代位に子供向けの本に描かれていたような21世紀の世界になっている。

2021年に読むとそんなチグハグ感が気になって仕方がないが、そうした小道具の部分を無視すればなかなかおもしろい。
単純に過去に(未来に)行って何かを変えて帰ってくるというだけでない時間旅行が描かれている。

この小説を読まなかった理由は冒頭に書いたように、そうした小道具の古臭さが気になるからであり、実際読んでみてそういうところは気にはなったわけだが、もう一つ理由がある。
「夏への扉」というタイトルがSFらしくないのだ。
原題も"The Door into Summer"なので直訳。
なんか爽やかすぎてSFの匂いがしてこないのだ。
「時への扉」とか「夏への時間旅行」とかだったらもっと早く読んでいたかもしれない。

この、「夏への扉」というタイトルの回収は冒頭で早々になされる。
要は自分にとっての幸せをあきらめずに求め続けるということ。

果たしてダンは「夏への扉」を開けることが出来たかは読んでのお楽しみだが、結末が爽やかすぎてSFっぽくない。(褒めてる)

前半は婚約者と親友の裏切りにあってドロドロのドラマが展開して、主人公ダンもだいぶやさぐれていて、とても山﨑賢人と清原果耶が出てきそうもない感じだが、最後は出てきてもいいかなという感じにはなる。

映画の方ではどうアレンジされてくるかわからないが、少なくとも冒頭部分は原作に準じたストーリーとなっているようだ。

小説の方ではダンが「夏への扉」を開けるために、親友の義理の娘リッキーに取らせた行動が巧妙。w
ダンは確か30代くらいの設定だが、いや、オヤジの願望を小説にした?とすら思わせる。

あと、あれですね、ダンの飼い猫ピートもいい味出しています。
猫好きの人はこの小説気にいるかも。

冒頭でも紹介した著者ロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」はわたし的にはいまいちでしたが、
https://t-shige.at.webry.info/200801/article_12.html
(ちょびっと感想が書いてあります。)
この、「夏への扉」は面白かったです。

映画も見に行っちゃうかも。(公開延期になっちゃったけど。)

夏への扉〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF) - ロバート A ハインライン, 福島 正実
夏への扉〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF) - ロバート A ハインライン, 福島 正実

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