読書感想文のススメ

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「読書感想文を何故書かなくてはいけないのか」をテーマにした原稿用紙5枚分の考察を3年間提出したおかげで読書感想文を書いたことがありません。その頃から私はすこしおかしな人間だった。


文脈からして、「書く必要ないよね」という論旨の小論文を書いたという事なのだろう。
いや、そのテーマで原稿用紙5枚書ける人なら確かに読書感想文書く必要ないかもしれない。w

でも、私は読書感想文は書いたほうが良いと思う。
そして、なぜ先生は読書感想文の宿題を出すのだろう。


まず、先生側の論理から。

先生のそもそもの目的は「本を読んでほしい」なのだと思う。
もっと言えば、本を読むことで、長文の読解力、語彙力の向上、正しい日本語の習得を期待している。

しかし、宿題として出すからには、本を読んだことの確証が必要となる。
そこで、感想文なのだと思う。

この、先生側の論理は自分で子供をもってみて分かった。
やはり、上記のようなことを期待して本を読んでほしいと思った。
でも、確証という意味合いもあるが、さらっとよんで、「うん、面白かった」「つまんなかった」だけでは不十分と思った。
しっかり、内容を理解し、身に着けてほしいと思ったので、感想文を書くという事を前提に読めばしっかり読むのではないかと思い至った。
そこで、はたと先生が生徒に読書感想文を書かせる意図に気づいたのだ。


でも、一方で、読書感想文を書く側にも利点はある。
私が思いつくだけでも三つ。

1.本の内容をしっかりと理解し、自分の力にできる。

私が先生の意図に気づいた経緯の通り、感想文を書く前提で読んでいると、どこで何が面白いのか、感心するのか、しっかりと意識するようになる。
そして、実際に感想文を書く段には再度内容を確認してから書いたり、文を引用したりするので、更にしっかりと内容が入ってくるようになる。

2.自分を観察する力が付く。

読書感想文とは、本を読んで自分がどう思ったかを書くことがメインとなる。
という事は、自分が感動した、驚いた、惹きつけられた、興奮した、不愉快になったなど、自分の心の動きを観察できる必要がある。
自分を観察するというのは意外と難しい。
しかし、自分を観察できるようになると色々と良い事が有る。
例えば、感情に流されやすい人。
何かあるとすぐに落ち込む、ちょっとしたことで激しく怒るというような人。
感情に流されず、自分をコントロールしたいと思ったら自分の感情の動きを客観的に感知する必要がある。
「あ、すごく落ち込んでる」「怒鳴りだしたくなるほど怒りがこみあげてきた」
こういう状態を流された行動をしてしまう前に察知できれば、「次にどうするか考えよう」「まずは深呼吸」のように対処をすることが可能になる。
それ以外にもメンタル、フィジカル共にちょっとした不調に気づければ、重篤になる前に対処をとれる。

3.相手に伝わる文章を書く能力向上が期待できる。

上記、1.2.のように、しっかりと内容を把握して、自分の感情の動きを感じ取れたら、それらを感想文を読む人に伝えたいという欲求が出てくる。
すると、おのずと相手に伝わるように書くことを心掛けるようになるはずだ。

ただ、どうしても文章を書いている瞬間というのは、その時に自分が持っている前提の上で書いてしまう。
その前提が読み手と共有できていないと、読み手には伝わらない。
なので、数日とか、数か月とか間を空けて自分の文章を読み直してみないと、相手に伝わる文章かどうかを自分で判断することは難しい。

なので、相手に伝わるように心がけて書くことと、あとで読み返すことをセットで行って、初めて能力向上が期待できる。



と、このように読書感想文を書く側にも利点はあるわけだが、学校の読書感想文の宿題の問題点は、生徒側から見ると「読書感想文を書くために、興味もない本を読まなければならない。」という事。
夏休みの宿題などでは多くの場合、文科省推奨図書を読むことを前提とされていることが多い。
生徒によっては、読書感想文を書くこと以前に、興味もない本を読むことが苦痛という人も多いだろう。

そういう点では、息子が通っていた中学校での課題が秀逸だと思った。

本は何でもいい、自分が良い本だと思ったものについてみんなが読みたくなるような内容紹介文を書く。
更に、本の帯や、書店のPOPのような、興味を持ってもらえるような短い文を書くというもの。

それなら自分の興味のある本を題材にできるので生徒側の抵抗感も少なくなるし、紹介文を書く情熱も上がる。

正確には読書感想文とは違うが、自分が感じたことを書く読書感想文よりも、興味を持ってもらうような文章を書くほうがはるかに難しい。
より相手の立場に立った文章の構築が必要となる。
POPを作るとなれば、俳句のように少ない語数で目を引き、気を引かなければならない。

より高度な文章力が養われると思う。


私もこのブログで様々な本や映画の感想を書いている。
しかし、どちらかという紹介文。
私が良いと思った本や映画をみんなにも見てほしい。
そんな思いの方が強いと思う。
なので、小説などのストーリーのある本や映画の感想の場合、事細かに書いてしまうとネタバレになってしまう。
でも、あの場面のすばらしさは書きたい、、のような葛藤がある。
そこで、ネタバレ無し版とネタバレ有り版と二つの記事を書いてみたりしている。

そして時折、昔書いた感想文を読み返してみて、「あれ、ここ意味が伝わらないな、、」と思えば書き直してみたりというようなことをしている。

もちろん私の文章ごとき、まだまだではあるが、そうしたことを何年もやっているうちに上記のようなことに気づけたという面もある。

別に、ブログでなくてもいい、誰かに見せるでなくてもいい。
ノートにこっそり書いておくでもいいので、あなたも読書感想文を書いてみませんか。
単純に、「この本どんなことが書いてあったっけ?」と思ったときの備忘録としても使えますよ。

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この記事へのコメント

ゲンタロウ
2019年11月21日 02:17
小学校の夏休み課題図書で、本が嫌いになりました(笑)
でも、ある時たまたま手にした、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズにハマり、本が大好きになりました。読書の習慣が社会人としてどれだけ大切かと思う時、今の自分があるのは江戸川乱歩先生のお陰、という事になります。

息子さんの中学校の宿題、考えた人は天才! おそらく、その方も課題図書で本が嫌いになり、何かのきっかけで本の魅力に目覚めたのでしょう(?) 
shige
2019年11月22日 09:33
ゲンタロウさんこんにちは。
自分の気に入った本を読んでもらえるような文章って、「こんなに面白い本なんだよ。」じゃ不十分で、この本を読むとあなたにこんないい事があるよ、こんな気持ちになれるよと書かなければいけないので難しいのですよね。

一番やりがちで一番ダメなのが、「だまされたと思って読んでみて、マジ良いから」ってやつ。
別に騙されたくないし、読んだからどうだっていうのって思われて終わり。

また、本にせよ映画やドラマにせよ、面白いと思うにはある程度の人生経験も必要ですね。
主人公、登場人物の境遇と同じような人生経験が有れば、より共感できたり、感動できたり。

よく、歳をとると涙もろくなって、、というのも、歳をとって人生経験が豊富なだけに、いろんな人のいろんな境遇に共感できるようになって、感極まりやすくなるという事なのかなと思っています。
例えば、親の気持ちとか子供を持ってみなければわからないことが有るでしょうし、親を看取るとかもそう。

本に興味を持てるかって、小説であればその時その時の自分の境遇と同じ主人公や登場人物に出会えるかがカギという気もしますね。

後は、何かこれについて知りたいと強い情熱を持てること。

「とにかく本読め」じゃなくて、その子に合った本を探してあげる、選んであげることも大事でしょうね。