2009年F1レギュレーションについて

来週末からいよいよF1、2009年のシーズンが始まる。

緒戦から十分に楽しめるよう、レギュレーション等が昨年とどう変わったか確認しておこう。


  1. 空力
    例によってダウンフォースの削減がなされている。
    大雑把に言えばサイドポンツーン近辺の空力パーツの付加を禁止されており、結果リアウィングとフロントウィングだけでほとんどのダウンフォースを賄わなければならなくなった。
    昨年の車にそのままレギュレーションを適用すればおよそ50%のダウンフォースの削減になると言われていたが、レギュレーション内での各チームの技術開発により、昨年比で20~30%ダウンに抑えられているという。

    実質、前後のウィングしか認められなくなったのにはもう一つ理由があり、後方の気流をなるべく乱さないようにして、大型化されたフロントウィング、高さを上げられたリアウィングと相まって、スリップストリームを利用しやすくしていると言う。
    これにより、コース上でのオーバーテイクが増えることを期待されている。

    空力面でもう一つ大きな変更は、フロントウィングをコックピットからの操作で走行中に角度の変更が出来るようになったこと。
    いままで、可変の空力パーツは強度面の不安から禁止されていたので、去年までF1を見ていた側からすると驚くほどの変化である。
    この可変フロントウィングは最大6度まで可動が許され、1周に2回だけ操作が許されると言う。(立てて一回、寝かせて一回とカウントする。)
    これは例えば、コーナーの多い区間ではウィングを立ててダウンフォースを稼ぎ、最も長い直線では寝かせて抵抗を減らして速度を稼ぐと言う使用方法が考えられる。
    また、スリップストリームに入ったときに減ってしまうダウンフォースを補うためにウィングを立てるという事も考えられる。
    さらに、路面の温度やラバーの乗り具合、タイヤ選択によっては、ウィングの角度が不適切となり、ピットストップのときにピットクルーが角度を調整するなどと言う場面が去年まではよく見られたが、これが、走行中にもコックピットからの操作で調整をすることも可能となる。

  2. タイヤ
    これも速度を抑えるために、長らく溝有りのタイヤを使用していたが、スリックタイヤが今年から復活する。
    これは、ダウンフォースの削減を補うためといわれており、実際、テストでもそのような効果が現れていると言う。
    固めのコンパウンドのタイヤと柔らかめのタイヤの両方を決勝レースで使わなければならないことは昨年と同じ。
    昨年は柔らかめのコンパウンドのタイヤの溝に白いラインが入れられ、一目でどちらのタイヤを履いているかがわかるようになっていたが、今年のタイヤには溝が無い。
    ということで、今年はタイヤのサイドウォールに緑のラインが入れられる。

    昨年までは、簡単に言えば柔らかさが違う4種類のタイヤの中から2種類がタイヤメーカーによって選ばれて使われていたが、今年は作動温度も考慮されたタイヤラインナップとなっている。
    コンパウンドの硬いほうからハード、ソフト、ミディアム、スーパーソフトと言うラインナップになっているが、ハードとミディアムが作動温度が高め(タイヤが温まった状態で最高のグリップ力が出る)、ソフトとスーパーソフトが作動温度が低め(タイヤが低温の状態で最高のグリップ力が出る)となっている。




    作動温度高 ミディアム ハード
    作動温度低スーパーソフト ソフト 
    コンパウンド  

    一回の週末でこの中から2種類が使用される。
    多くの場合、ミディアムとスーパーソフト、または、ハードとソフトと言う組み合わせのどちらかと言うことになると思われる。

    上記のようにダウンフォースの軽減に伴ってスリックタイヤが導入されたが、レインタイヤは水はけをよくするため、どうしても溝が必要。
    その為、レインタイヤを履いた場合はグリップ力は昨年比で20~30%そのままダウンしてしまう。
    よって、雨が降った場合にはクラッシュやコースアウトが増えることが懸念されている。

  3. KERS
    Kinetic Energy Recovery System(運動エネルギー回生システム)の略。
    カーズと読む。
    要するにハイブリッドシステム。ブレーキング時に運動エネルギーを蓄え、加速に使うことが出来る。
    1周に61馬力、約6秒間使うことが出来る。
    決勝ではスタートダッシュ、オーバーテイク、長いストレートでの加速などに使うことが効果的であろう。
    予選では、アタックラップに入る最終コーナーの立ち上がりからスタートラインまで使って初速を稼いだ上で、アタックラップ中にも使えば、大幅なタイムアップに繋がる。

    KERSには減速時にフライホイールを回して運動エネルギーのまま蓄える機械式と、市販のハイブリッド車同様、発電機を回して電気エネルギーとしてバッテリーに蓄える電気式がある。

    運動エネルギー方式は、クラッシュ時に高速回転しているフライホイールが四散する恐れがあり、電気エネルギー方式も感電の恐れがあると懸念されている。
    テスト期間中、実際にBMWのメカニックが感電すると言う事故が起きている。

    このほかにもKERS導入には不利点もある。
    それは、その重量。
    およそ40Kgにもなると言う。
    車体とドライバーの合計が最低605kgと言うF1マシンにおいて、7%近くになる重量。
    ほとんどのチームでは最低重量を大きく下回る車両に、最低重量までのバラストを前後重量配分が理想的になるように積み込んでいるのに対して、ある程度搭載位置が限られる重量物を積まなければならないのは大きな不利点となる。
    後輪車軸付近に搭載することになるので、車体の後方が重くなり、ブレーキングや旋回時にスピンしやすくなる。
    重心高が高くなり、旋回能力が低くなると言う不利点が予想される。

    各チームとも、この不利点と、上記の利点を秤にかけ、採用、不採用を決めている。
    今のところ、トヨタ、ブラウン、BMWは不採用のようだ。
    ウィリアムズはフライホイールに蓄積したエネルギーを加速時には電気に換えて利用する独自の方式を採用するようだ。(って、事は発電機とモーターの両方を積まなきゃいけない?)

  4. エンジン
    今年は、金曜日のフリー走行も含め、ドライバー一人当たり、8基までと制限されている。
    エンジンの最高回転数は昨年の1000rpmダウンの18,000rpmとなっている。
    二戦連続同じエンジンを使わなければいけないと言うルールは撤廃されている。
    ただし、土曜日のフリー走行から決勝終了までは交換できない。

    9基目以降のエンジンを使うと10グリッド降格となる。

    と言うことで、例えば、あるエンジンは金曜日専用にするとか、コースごとのエンジン負荷も考慮してエンジンをやりくりするなどのマネージメントがチームに必要となる。


去年からの変更はこんな物かな。

可変フロントウィング、KERS共にドライバーの操作によって動作する。
フロントウィングに至っては可動角度の調整もドライバーが行うので、ドライバーはかなり忙しくなるはずだ。


後は、各チームの車の仕上がり具合。
マクラーレンは今年は車の出来がよくないようです。
なので、前半戦は苦労するでしょう。

一方、昨年は散々だったHonda改めブラウンGPはテストで中々の成績を上げているようで、活躍が期待されます。
もう、Hondaじゃないと分かっていても、中で働いている人たちのほとんどはドライバーも含めて去年のHondaと同じですからね、やっぱり、応援したくなっちゃうな。

ミハエル・シューマッハ一人勝ちの時代が終わり、彼を王座から引き摺り下ろしたアロンソの時代になるかと思いきやハミルトンと言う新星が現れ、ミハエルの期待通りにマッサも頭角を現しだし、ベッテルも昨シーズン後半からトップドライバー達に近づいてきた。
まさに群雄割拠の時代。
誰がワールドチャンピオンになってもおかしくない。本当に面白い時代になりました。

琢磨がいないのはさびしいですけどね。


さぁ、開幕まで1週間を切りました。
楽しみです。

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